« 『オペラ座の怪人』祭り最終日間近 (オルゴール編) | トップページ | オペラ座の怪人 関連サイト&グッズまとめ »

2005/03/09

『オペラ座の怪人』祭り最終日間近 (ファントム編その2)

最初は「わー、ファントムって粘着系のストーカーですってば」と思ったもんですが、そうなってしまう理由も分かるんですよね。仕方ないんですよ。(だーかーら、物語の都合上とか言わないで~)

ファントムって大人になりきれなかった子供なんですよね。社会的な問題になっている「ひきこもり」と実によく似ているなぁと思いました。(参考サイト:「社会的ひきこもりとは」)

何かがキッカケで社会に適応出来なくなってしまう(ファントムの場合は醜い容姿からくる劣等感)。

そんな自分を恨みながらもプライドが高いため認めたくない。その為、まわりの人間を恨むようになる。生活する空間が非常に狭いため、まわりのことがよく見えない。人の気持ちを理解出来ない。思い込みが激しい。暴力に訴えがち。被害妄想。などなど

これがハリウッドのお約束映画ならば、そんな精神的問題を抱えたファントムをクリスティーヌが愛して、最後は2人でハッピーエンドになっちゃうんでしょうが、これはまったく違いますよね。この映画がアメリカ人ウケしなかった理由は、そこにもあるのかなぁ。

舞台版の『オペラ座の怪人』は見たことがないし、原作も未読なのですが、映画版ジェラルド・ファントムを見た限りでは、駄々っ子ファントムって感じが端々に出ていて、「お母ちゃん、ファントムが心配で心配で~」って感じになってしまいました。

翻訳がうまくないせいで紛らわしいところや編集的にいろいろと問題があるところも多々あるのですが、いろいろな意見や感想を参考にファントムの心情の動きを追ってみました。

まず、クリスティーヌの初舞台の後、部屋に鍵を掛けて逃げられない状態にしておいて、ファントムは鏡の向こうからクリスティーヌに呼びかけます。

突然出現したラウルの存在を非常に疎ましく思っているファントムはラウルに対する悪言を並べます。今まで大切に育ててきた少女を奪い取られる不安に駆られたファントムをもう誰も止められません。マダム・ジリーでさえ。

音楽の天使の姿を見たい一心でクリスティーヌは「私をお許しください。姿をお見せになって」と半べそで呼びかけますね。ファントムは「口のうまい娘だな。では姿を見るが良い」と鏡の中にその姿を現します。この時、ファントムは言葉とは裏腹にちょっと嬉しそう。Gerryの歌もそんな感じですよね。

自分の住処にクリスティーヌを連れていっちゃうんだけど、初めて若い女性と手を繋いで、しかも彼女が途中でいなくなったりしないかと心配なファントムは何度も何度も後ろを振り返るっと。この時、暗い地下道が黄金に輝いていたり、クリスティーヌのメイクが変化するのはミュージカル的な演出です。たぶん。

クリスティーヌを隠れ家に連れてきたファントムは、自分の芸術品を自慢げに彼女に見せますね。花嫁衣裳を着たクリスティーヌそっくり人形も、「ほら。君のお人形作ったんだよーン」って感じで得意げに見せています。それを見たクリスティーヌは驚いて気絶。

気絶させちゃうし、勢いで隠れ家には連れてきちゃっうしで、クリスティーヌが目覚めた後、非常にバツが悪いファントム。「さて、クリスが起きてきたけど、これからどうしよう」と困っている様子が振り返ったファントムの表情から見て取れます。

こういう場面は多々あって、仮面舞踏会の時、クリスティーヌに「今なら師の元へ帰ってこられるぞ」みたいなことを強がって言うんだけど、クリスティーヌが拒みもせずにファントムのことをジッと見つめると逆にひるんでしまったり。そもそも、人と向き合った経験のないファントム。見つめられたりしたら、もうどうしたら良いのか分からないのですよ。

だから、「Music of the Night」でも「The Point Of No Return」でもクリスティーヌの背後に立っている時は情熱的なことを出来ちゃうんだけど、目と目が合っちゃうと視線をそらしてしまう。もちろん、この醜い顔を見られたくないというファントムの心理もあると思うのですが、字幕のせいでエロエロになっているものの実は奥が深いんじゃないかと思ってます。

こういう可愛い部分もある反面、彼の精神はすっかり病んでいるので、まず我慢ということを知らない。自分の邪魔をする人間は殺してしまえ、みたいな。その場面はイル・ムートでブケーの首を絞めてしまうことでも分かります。

あの場面で彼を殺す必要はなかったはずなのに、普段からファントムのことをからかっているブケーに対して怒りを覚えていたこと、また、自分の忠告を無視しカルロッタを主役にしたことなどから、あの時のファントムの精神状態は普通ではなかった。「誰かを殺さずにはいられなかった」のではないでしょうか。

|

« 『オペラ座の怪人』祭り最終日間近 (オルゴール編) | トップページ | オペラ座の怪人 関連サイト&グッズまとめ »

Movie--"The Phantom of the Opera"」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/37680/3233520

この記事へのトラックバック一覧です: 『オペラ座の怪人』祭り最終日間近 (ファントム編その2):

« 『オペラ座の怪人』祭り最終日間近 (オルゴール編) | トップページ | オペラ座の怪人 関連サイト&グッズまとめ »